妊娠すると、食生活が今までよりも重要になってきます。 食生活は、ママの健康や感情に影響を与えることをはじめ、赤ちゃんにも影響を及ぼします。 ここでは、妊娠中の健康的な食生活、妊婦さんが摂取したい栄養素についてお届けします。是非、日々の食生活の参考にして下さいね。

妊娠中に意識して摂取したい栄養とは?

葉酸が豊富な緑黄色野菜

細胞分裂に不可欠な、ビタミンB郡

妊娠中に意識して摂取したい栄養素の代表には葉酸が挙げられます。葉酸と言うのは、ビタミンB群の水溶性ビタミンです。 細胞分裂に不可欠な栄養になり、妊娠前や妊娠初期にしっかり摂取すると、神経管の先天異常が発症するリスクを下げると言われています。

妊婦さんの摂取目安は?

目安には、18歳以上で1日240㎍、妊娠中は480㎍となっており、妊婦さんになると通常の2倍必要になります。 葉酸は、緑黄色野菜、果物、納豆、レバーなどに豊富に含まれています。 緑黄色野菜であるほうれん草100gには、約210㎍の葉酸が含まれていますが、水溶性なので茹でてしまうと半減します。 なので、他の食材も組み合わせつつ、しっかり葉酸が摂取出来るメニューに工夫しましょう。 妊婦さん向けには葉酸サプリメントもあるので、サプリメントの活用もおすすめです。

鉄分豊富な食材

妊婦さんは貧血になりやすい

日本人女性は、基本的に鉄分が不足気味です。 妊娠中の鉄分は、赤ちゃんにも運ばれる栄養素になるので、妊婦さんは貧血になりやすく、妊娠後期になると出産に備えて体の血液量が増加します。 血液のヘモグロビン増加より血液の液体増加が多くなり、貧血を起こします。 増加した赤血球はヘモグロビンの元である鉄分が必要なので、鉄分は欠かせないのです。

妊婦さんの摂取目安は?

妊娠初期は9.0mg、中期~後期は16mgの鉄分を要するので、鉄分豊富な食べ物を意識して摂取していきましょう。 牛肉、レバー、あさり、まぐろ、かつお、納豆、小松菜、ほうれん草、切り干し大根など、鉄分豊富な食材は色々あります。 また、鉄吸収を高めてくれるビタミンCも一緒に摂取して相乗効果を発揮させましょう

カルシウムを含んだ食材

カルシウムは、赤ちゃんの骨や歯を作る大事な栄養素です。 日本人は慢性的にカルシウム不足なので、1日の推奨量である650mgをしっかり摂取しましょう。 カルシウム豊富な食材には、牛乳、ヨーグルト、大豆製品、小魚、小松菜等などが挙げられます。

妊娠中に注意したい代表的な食べ物とは?

レバー ・うなぎ

レバー・うなぎには、動物性ビタミンAが豊富に含有されています。 動物性ビタミンAは、妊娠初期までに多く摂取していると、赤ちゃんの形態異常リスクがあると指摘されています。 植物性ビタミンAは摂取しても問題ありませんが、動物性ビタミンAには注意が必要です。 1日の摂取量上限目安は、うなぎは1/2 串、レバーは1かけ程度となっていますが、上限を超えた場合、数日~1週間の中で摂取量を調整すればOKです。

ひじき

ひじきには、発がんリスクのある無機ヒ素が多く含有されており、それが懸念されている点になります。 ただ、1日4.7g(乾燥時)以上のひじきを摂取しなければ問題ありません。 ひじきは、食物繊維、鉄分、ミネラルなどが豊富な食材なので、1週間に2回程度小鉢1杯位であれば心配無です。

生物・加熱不十分な物

レアステーキ、生ハム、スモークサーモン、パテなど加熱不十分な食べ物、お刺身、お寿司などの生物は、寄生虫がいる可能性があります。 なので、万が一、胎盤経由で赤ちゃんに入り込んだ場合、先天性トキソプラズマ症にかかる危険性があります。 赤ちゃんのこと優先して考え、火がしっかり通った食べ物を食べるようにしましょう

ナチュラルチーズ

輸入もので、且つ、非加熱チーズには、赤ちゃんの流産や死産につながるリステリア菌が混入している恐れがあります。 妊婦さんになると、健康な成人の約20倍の確率でリステリア症になると言われているので避けるようにしましょう。 一方、加熱してあるプロセスチーズ、クリームチーズ、カッテージチーズは食べても問題ありません。

水銀含有量の多い魚介類

人の体に無害な水銀もありますが、海中微生物や魚の体内に蓄積されると、有害なメチル水銀に変化します。胎児はメチル水銀を体外排出する機能はありません。 なので、ママが水銀含有量の多い魚介類を沢山摂取すると、赤ちゃんの中枢神経発達に悪影響を及ぼします。 通常範囲内であれば大丈夫ですが、しっかり摂取量目安を守る事が重要です。 1週間に1回までならOKとされているのは、メカジキ、クロマグロ、メバチマグロ、キンメダイ、エッチュウバイガイ、 ツチクジラ、マッコウクジラなどが挙げられ、いずれも約80g程度に収めましょう。 また、2週間に2回までならOKとされているのは、マカジキ、キダイ、ミナミマグロ、ユメカサゴ、 ヨシキリザメ、イシイルカなどが挙げられ、いずれも約160g程度に収めましょう。

妊娠中に飲んではいけない飲料とは?

アルコール

妊娠が分かった時点で、アルコール摂取は控えましょう。妊娠した体は、赤ちゃんへ母体から胎盤を通じて栄養を届けます。 なので、アルコール摂取してしまうと、栄養と同じようにアルコールが赤ちゃんに届いてしまいます。 妊娠後のアルコール摂取は、胎児性アルコール症候群を招く恐れがあります。 ノンアルコールであれば摂取は問題ないので、妊娠中にアルコール気分を味わいたい方は、ノンアルコールでリフレッシュするのは良いです。

カフェイン入りの飲料

カフェイン入りのコーヒーやお茶は、胎児に大きな負担です。 胎児の肝臓と言うのはまだ未成熟であるので、カフェインが排泄されずに胎児に蓄積され、カフェインは血流を阻害しやすい性質なので胎盤機能低下に繋がります。 また、カフェインはタバコやお酒と同様に胎児の成長の妨げ、乳幼児突然死症候群のリスクも高まります。 カフェインの大量摂取は、出産に欠かせない鉄分とカルシウムの吸収率を低下させたり、不眠・不穏、頻脈や動悸など、様々な症状を招いたりする可能性があります。 コーヒーやお茶が好きな妊婦さんは、カフェインレスコーヒー、カフェインレスハーブティーなど、ノンカフェインの飲料に変えることが大切です。

3度の食事をしっかり摂ること!

栄養バランスの取れた食事を意識する

妊娠期間中は、エネルギー、たんぱく質、ビタミン、カルシウム、鉄分、食物繊維など、体に必要な栄養素の量が増加します。 なので、食生活の見直しは大切で、なるべく手作り料理を心がけて栄養バランスの取れた食事が理想的です。 食事の組み合わせに関しては、主食、主菜、副菜が整った献立がポイントです。特に、朝食や昼食が単品料理だけにならないよう意識しましょう。 妊娠中、つわりが激しい、胃が圧迫されて必要量の食事が摂れない、そんな時は間食量を多くするなど栄養不足にならない工夫が大切です。

塩分の取り過ぎには要注意

また、食塩の取り過ぎは、高血圧、浮腫み、妊娠高血圧症候群などを招きます。なので、塩、しょうゆ、みそは控えめにしましょう。 薄味でも美味しく食べられる酢、柑橘類、香辛料、香味野菜、のり、ごまなど食品を利用して料理に工夫を凝らしましょう。

まとめ

ここでは、妊娠中の健康的な食生活、妊婦さんが摂取したい栄養素についてお届けしてきましたが、いかがでしたか? 妊娠中は、母体を通して赤ちゃんに栄養を与える大切な期間です。その為、毎日の食事には気を付けて行くことが重要です。 自分の体調を考慮しつつ、妊娠中もバランスの取れた食生活を心がけていきましょう。
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